放射性廃棄物の問題と子どもたちの健康調査についての公開質問状と回答

 「おやじの会」の大山嘉夫さんから、放射性廃棄物の問題と子どもたちの健康調査についての公開質問状をいただきました。
 質問内容と田中重博候補からの回答をご紹介します。



【質問状】

 田中重博候補様

 今回茨城県知事選挙にあたって各候補者が放射能に対する県民の不安に対しどのようなお考えを持っておられるかを知りたく、不躾ながら質問をさせていただきます。
 またご回答は候補者の考えとして公表されることを前提にお願いいたします。

1、現在東海村に保管されている多量の放射性廃棄物について。

 添付資料(核のゴミMAP)の通り現在東海村の各施設に保管されている多量の放射性廃棄物は、ただそれがあるというだけで私たちの生活の継続に強い不安を与えます。
 特に原子力機構核燃サイクル研究所にある高レベル廃棄物は、1リットルあたり10兆べクレルほどと恐ろしく高濃度の放射性物質です。(最近福島で騒がれているレベル3の高濃度汚染水でさえ数千万べクレルです。)それが393立方メートルもあるという事実に「もし何かあったらここに住めなくなる」と不安に思わざるを得ません。
 田中重博候補様はその不安解消をどうお考えでしょうか?

 また、もし国が昔からずっと言ってる地層処分の最終処分場建設が、このまま候補地も出て来ぬまま実現の見通しもつかない状況が続いた時、茨城県としてはどう対処するべきですか?(4択)

 @県としては何もしない。
 A国に最終処分場の早期建設を強く求めて行く。
 B県として独自の対処を考えて行く。(できたら具体的に)
 Cその他。(お考えを教えて下さい。)

2、甲状腺エコー検査をはじめとする、県内の子どもたちの健康管理について。

 福島第一原発事故により大量の放射能が放出され、それは福島県のみならず東日本全域に拡がったことは周知の事実です。特に茨城県は福島県を除けばダントツ一番の放射能汚染がありました。しかしその健康影響は4〜5年たって子どもの甲状腺ガンなどという形で現れたとチェルノブイリの知見は言います。福島県ではすでに18人の子どもに甲状腺ガンが認められたと発表されました。まだ20数人のガン候補の子どもがいるそうです。自然の状態では100万人に1人ぐらいの小児甲状腺ガン。福島県ではまだ20万人くらいしか検査していないのにもう18人も見つかってしまいました。国の医者たちも「原発の影響とは断定できない」としながらも「わからないことが多い」という言葉をつけ始めました。以前は「事故の影響ではない」と断言していたのですが…。
 わからないことが多いのですから、とにかく子どもたちの健康を調査して、早期発見早期治療の体制が整った茨城県になってほしい、というたくさんの県民の願いがあります。特に甲状腺エコー検査は早急に始めるべきです。1人でも手遅れにしないために。茨城は大丈夫そうだという経過が出れば最大の不安解消になりますし。

 では質問です。すでに茨城県では県議会や市長会などが子どもの健康調査の必要性を認め、子ども被災者支援法の適用を国に求めていますが、 田中重博候補様は、もし国がこのまま支援法の適用範囲をハッキリ決めなかったり、もしくは茨城県が適用から外れた時に、県は子どもの健康不安にどのように対処すべきだとお考えですか?(4択)

 @国がしなくていいと言ってるのだから県は何もしない。
 A国に支援法への適用を再度強く働きかける。
 B県独自で対策を考える。(できたら具体的に)
 Cその他。(お考えを教えて下さい)

 以上、ご回答のほどよろしくお願いいたします。

   2013.8.25
おやじの会 大山嘉夫(水戸市)  




 ※「核のゴミMAP」は、「リリウムの会」さんのサイトに掲載されています。→こちら をご参照ください。

回答中の「中略」はご質問内容ですが、上の「質問状」を参照願います。 


【田中重博候補からの回答】

 おやじの会 大山嘉夫様

  貴会の活動に敬意を表します。この度いただいた公開質問状に回答いたします。

1、現在東海村に保管されている多量の放射性廃棄物について(中略)…その不安をどう対処するべきとお考えでしょうか?
   …茨城県としてはどう対処するべきですか?(4択)

【回答】

 4つの選択肢のうち「A国に最終処分場の早期建設を求めていく」と「B県として独自の対処を考えていく」の2つに当てはまります。

 「早期建設」と言っても、数万年単位の処分に関する「早期」であり、拙速な建設は問題の解決に逆行します。
 日本学術会議も「万年単位に及ぶ超長期にわたって安定した地層を確認することに対して、現在の科学的知識と技術的能力では限界があることを明確に自覚する必要がある。」「これまでの政策枠組みが行き詰まりを示している第二の理由は、原子力政策に関する大局的方針についての国民的合意が欠如したまま、最終処分地選定という個別的な問題が先行して扱われてきたことである。」としています。
 技術的に処理方法が確立されていない、超長期に渡って管理しなければならないものを作り出し続けることは許されないことです。国内の原発を全て止めることなしに、この問題についての国民合意・住民合意を得ることはできないと考えます。
 原発ゼロの大方針を明確にしたうえで、科学的英知を結集し、対策を検討しなければなりません。最終的な処分方法が決まるまでの間の暫定措置についても、常に最新の知見を反映することが求められます。
 完全な技術が確立されていない以上、一定の危険が伴います。最善の対策を行うとともに危険性を正確に伝えることに努め、行政に対する信頼を回復しなければ、国民合意・住民合意を得ることはできないと考えます。
 最悪の場合にどのような危険があるかを想定し、それにもとづく原子力災害対策を策定する必要があります。あらゆる段階で、住民といっしょに考えていく過程を大切にします。


2、甲状腺エコー検査をはじめとする、県内の子どもたちの健康管理について、(中略)もし国がこのまま支援法の適用範囲をハッキリ決めなかったり、もしくは茨城県が適用から外れた時に、県は子どもの健康不安にどのように対処すべきだとお考えですか?(4択)

【回答】
 4つの選択肢のうち「A国に支援法への適用を再度強く働きかける」と「B県独自で対策を考える」の2つに当てはまります。

 放射線が人体に影響を与える量については「しきい値」がないということが国際的な放射線防護の共通認識になっています。詳細については解明されていないことが多く、不安を感じるのは当然です。茨城県にもたらされたヨウ素を含む放射性物質が健康に影響を与えないとは言えません。子どもの甲状腺検査をはじめとする健康調査は、原発を推進してきた国と電力会社の責任で徹底して行うべきことです。
 昨年末に原子力規制委員会は茨城県、特に県北は甲状腺検査が必要との勧告をだす方針と発表しています。
 この間、私たち明るい会の構成団体が県と懇談した際に、県は「疫学調査は必要である」と言っています。疫学調査と個別の検診は違います。国がおこなわないのであれば、県の責任で検査体制をとることが必要であると考えます。
 もし支援法の適用を受けなければ、地方自治体としては重すぎる負担を負うことになりますが、安心して暮らせる茨城にするために避けて通れない課題です。できるかぎり徹底した健康調査を早急に行い、その負担は国と東電に求めていきます。

  2013年8月30日
明るい民主県政をつくる会  田中しげひろ